第26回大会

優勝 吉田優利

吉田優利がプレーオフを制し、ツアー2勝目! 大逆転V!

第26回大会は、初開催となる三重県四日市市のゴルフ5カントリー四日市コースにおいて、昨年に続き新型コロナウイルス感染症対策として無観客試合で開催された。今大会の注目は、その差がわずか214万円に迫る賞金女王争い。連覇がかかる小祝さくらと、五輪銀メダリスト・稲見萌寧が初日同組で対決。大会ホステスプロ・穴井詩を加えたこの組に大注目が集まった。

 

初日、雨が落ちる中、残念なハプニングがあった。稲見が6Hで左腕を何かの虫に刺され出血、腫れが引かずハーフで棄権、残念ながら女王レース対決が水の泡となった。そんな中、7バーディー1ボギーの大里桃子が単独首位に立つ。1打差の2位には脇元華・野澤真央・篠原まりあ。また、ツアーデビュー戦となる桑木志帆が2打差につけ大物ぶりをみせた。

 

2日目、霧が濃い朝、またしても雨模様。この日は下から吉本ここねと吉川桃が首位に並びかければ、大里も巻き返し、新垣比菜も追いつくという目まぐるしい展開。しかし、大里の最終組が16番上で雷雲接近により中断、結局サスペンデッドとなり、残りは翌朝再開となる。翌朝再開された2Rは17番で抜け出した大里が単独首位、1打差の2位タイの新垣と吉本が最終組となった。

 

運命の決勝ラウンド。この日話題をさらったのは最終組の11組も前を行く鶴岡果恋だった。12番までで6つ伸ばし首位に1打差に肉薄すると13番でイーグルを奪い、一気に単独首位に。しかし、残り5ホールをパーとし3位タイに終わる。

 

その後、ジワジワとバーディーを重ねる吉田優利が、そして穴井詩が、2打差スタートの岡山絵里が続け様に鶴岡に追いつくと、16番でこの日8つ目のバーディーを奪った穴井がついに単独首位に。だが穴井は最終18番でラフに捕まり、あえなくボギー。その後14番で首位に並んだ吉田が15・16番でも伸ばし2打差をつけ突き放す。だが、吉田の1組後ろの岡山絵里が16・17番で連続バーディーを奪い1打差に迫る。すると前を行く吉田は、3日間の最難度18番でボギーを叩き、勝負の行方は大会史上9度目となるプレーオフへと持ち越された。

 

プレーオフは18番。この日のバーディーはたったの2つだけゆえに我慢比べが予想された。1H目は両者共にパー。2H目、岡山は右のラフからのセカンドをグリーン右に外す。対する吉田は確実に2オン。岡山は寄せ切れない。吉田が先にパーを決め見つめる先で、ただ一人3日間ノーボギーだった岡山は56H目にしてパーを逃し万事休す。吉田が見事大逆転でツアー2勝目を飾った。

 

今年も無観客となったが、昨年実施した練習場中継、選手インタビューに加え、本戦3日間の中継をライブ配信。きっとファンには大会の盛り上がりが伝わり、選手にとっては熱い声援が聞こえたことだろう。こうして吉田の愛嬌あふれる笑顔と共に白熱の大会は幕を下ろした。