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本日、第30回を数えるゴルフ5レディスプロゴルフトーナメントが3年ぶり3度目の開催となる千葉県市原市のゴルフ5カントリーオークビレッヂで開幕する予定だったが、台風15号の影響を考慮して前日に中止が発表された。よって、今大会は昨年に続き2日間の短縮競技となり、6日(土)の第1ラウンドの60位タイまでの選手が最終日7日(日)の決勝ラウンドに進出する。
2日間の天気は台風一過、晴れの予報。短期決戦ゆえ、何が起こるかわからない。ましてや今季の国内ツアーは、竹田麗央、山下美夢有、岩井明愛・千怜、原英莉花が米国を拠点にしたこともあり、ここまで例年にない現象が起きている。前週ニトリレディスまでの23試合で優勝者は21人。つまりメルセデスランキング首位を走る佐久間朱莉しか複数回優勝していないのだ。しかも佐久間は初優勝からの3勝、14大会連続で首位をキープ中だから、やっと来た大ブレイクのシーズン。ここまで全試合出場、TOP10回数も11回と1位、優勝候補No.1だ。
開催週になりエントリー選手4名の欠場が発表された。大会公式Xでも“注目選手”として取り上げた、歴代優勝者であり現在3位の小祝さくら、初優勝が期待される7位の菅 楓華。加えて、高久みなみ、森田遥の計4名だ。これで現在のメルセデスランキングの海外組を除くTOP10では、佐久間、高橋彩華、藤田さいきの三人のみの出場となったから、ますます今大会は誰が来てもおかしくないと言えよう。
昨季のメルセデスランキング上位であれば、共に3勝を挙げた桑木志帆と川﨑春花は今季未勝利。ただ桑木は海外メジャーも経験し、国内出場18試合で9試合がTOP10内、ドライビングディスタンスとバウンスバックで1位、しかも前々週のCATで2位タイ、前週ニトリで4位タイと調子を上げてきているから優勝候補と言えよう。8位の高橋彩華も3年ぶりのツアー2勝目を挙げ、パーセーブ率1位と安定感は抜群だから注目である。
もちろん歴代優勝者でもある大会ホステスプロ・穴井詩も今季1勝を挙げ、意気込みは誰よりも強い。また、ほかの歴代優勝者では、CATで優勝した櫻井心那、イミニョン、藤田さいき。そして、3年前ここオークビレッヂで、吉田優利とのプレーオフを制しツアー初優勝を遂げたセキ ユウティンがいる。このコースでは、2回とも外国人選手が優勝という点も気にかかる所だ。
正直言ってわからないというのが現実。初Vの記憶が新しい選手たちの2勝目?初Vに手が届きそうで届ききれない金澤志奈、荒木優奈、仲村果乃らにもチャンスがある。さぁ、一体誰が明日からの短期決戦を制するか?白熱の戦いへの期待に胸は躍る。

今季初Vに期待がかかる桑木志帆

今季4勝目で年間女王へ突き進むか?!佐久間朱莉

今季2勝目、大会2勝目に期待がかかるGOLF5所属・穴井詩

逆転で初の年間女王を目指す小祝さくらは残念ながら欠場
昨日の競技中止により一日の休息明けとなった大会初日、予選ラウンド。見事な快晴の空の下、予定通り8:20に第1組がスタートし開幕した。2日間の短縮競技は難しい…一日で決勝ラウンドへの進出がかかる。予選通過は60位タイだ。優勝を狙うのも難しい。初日から大きく離される訳にはいかないからトップ位置も意識しながらの攻めと守りのせめぎ合い。
開催コースはGOLF5カントリーオークビレッヂ。初開催の22回大会は6373Y、優勝スコアは12アンダー(O.サタヤ)、3年前の27回大会は6465Y、優勝スコアは同じく12アンダー(セキ ユウティン/吉田優利)、今年はさらに40Y伸びて6505Y。そんな中、初日から予想外のビッグスコアが出たのだから驚きだ。
序盤に飛び出したのは、アマチュアの中澤瑠来と内田ことこ。二人はハーフを終えて5アンダーとトップを牽引する。内田はINに入っても2つ伸ばし7アンダーで単独トップに立つも、14・16番でボギー、18番でWボギーを叩いてしまう。まさにこれがオークビレッヂの恐いところだ。次に首位に立ったのは木戸愛。入れ替わるように7アンダーで単独首位に立つが、16・18番で落としてしまう。
さらに、5番からの5連続バーディーなどでジワジワ上がってきたのが柏原明日架。11番のバーディーで抜け出し単独首位に立つ。一時は荒木優奈と政田夢乃に追いつかれるも、13番のバーディーで再び単独首位に。さらに荒木優奈、続いて稲垣那奈子に追いつかれ、あと一歩が伸ばせず首位タイの8アンダーでホールアウト。
しかしまだ終わらない…なんと稲垣那奈子が16番ロングでバーディーを奪い、9アンダーで単独首位に立つ。あと一つで大会コースレコード更新!と、ざわめきも起きたが、最終18番でセカンドをバンカーに入れ、初ボギー。結果、柏原・荒木・稲垣の三人が並んで明日の決勝を迎えることになった。しかも1打差に政田夢乃と三ヶ島かな、2打差に徳永歩・ペ ソンウ・仲宗根澄香、3打差にアマチュア中澤・木戸・永井花奈・尾関彩美悠・阿部未悠・都玲華が付ける大混戦。
初優勝か?2勝目か?それともアマチュア優勝か?きっと白熱のデッドヒート、そして劇的な結末が待っているに違いない。乞うご期待です!!

ツアー2勝目へ!9バーディー1ボギーの稲垣那奈子

100点ではないと言う8バーディーノーボギーの柏原明日架

1イーグル7バーディー1ボギーの荒木優奈が目指すは初優勝

7バーディーノーボギーの政田夢乃も初Vが目標

3打差につける活躍を見せた日本女子アマチュア覇者・中澤瑠来

出入りの激しいゴルフながら8バーディーを奪った大会ホステスプロ穴井詩、目指すは4打差からの逆転V
最終日、決勝ラウンド。昨日に続き青空の下、10:03に首位の三人、稲垣那奈子・柏原明日架・荒木優奈の最終組が、たくさんのギャラリーに見守られ、スタート。2日間短縮競技ゆえの大混戦から抜け出し、優勝争いを引っ張っていくのは誰だろうか?
いきなり動かしたのは最終組の1つ前の組の三ヶ島かな。1番でバーディーを奪い、8アンダーで首位に4人が並ぶ。すると柏原明日架も1番でバーディーを奪い9アンダーで一歩抜け出す。三ヶ島も3番でバーディーを奪って再び首位に並びかけるが、4番で落とし、柏原が単独首位に。三ヶ島は5番でバウンスバックし、また首位タイにすると、今度は尾関彩美悠が5番からの3連続バーディーで首位タイに並び、三人に。
最終組の5番ミドル、今日共に一つ落としている稲垣・荒木が先にバーディー、そして柏原も決めて2桁アンダー1番乗りで単独首位に。荒木は続く6番でもバーディーを奪い首位と1打差、尾関・三ヶ島、追い上げる永井花奈と4人が2位タイに。最も短い7番ミドル、柏原はロングパットをねじ込み11アンダー。荒木も続き、単独2位の10アンダー。8・9番は共にパーでフロントナインを終了。3組前の永井が10番で10アンダーとして2位タイに上がり、運命のバックナインに向かう…
10番ミドル、単独首位の柏原のティーショットは不運にも右にボールが跳ねて木の根元に。アンプレイヤブルで1打罰、何とかボギーで切る抜ける。これで首位は柏原・荒木・永井・政田の4人。尾関も追いつき5人になると、永井が13番で伸ばし、単独首位に立つ。だが、そこから13番で政田、12番で荒木が追いつき、11アンダーに3人が並ぶ。
続く13番でも荒木が連続バーディーでついにルーキーが単独首位に立つ。難関14番を前に待ち時間。その間に15番で永井がボギー。12アンダーの荒木を1打差で政田、2打差に永井と柏原。だが追いかける政田が15番ティーショットをOB、このホールをWボギーとしてしまい、荒木のリードは2打差に開く。
難関14・15番をパーで切り抜けたが16番ロングで柏原が意地のバーディーを決め1打差に詰め寄る。残り2ホール、柏原はベストを尽くし攻めるも惜しくも追いつけず惜敗。単独首位に立ってからバーディーが奪えなかった荒木だが、崩れる気配はなくマイペースでしっかりとパーを奪い逃げ切り、見事ルーキーシーズンで初優勝を飾った。
決勝ラウンドの16番ホールにかけられたイーグル賞は、サードショットをバックスピンでねじ込んだGOLF5所属・川満陽香理が。最多バーディー賞は、11番でWボギーを叩くも諦めることなく最終18番を含む3バーディーを奪った稲垣那奈子が。ベストアマチュアは、GOLF5契約選手・中澤瑠来が9位タイという好成績で獲得した。そして、ギャラリーの喝采と共に第30回大会は幕を閉じた。

前日のインタビューでの目標通り優勝を達成した荒木優奈

インタビューでは家族や周りの方への感謝の気持ちと、優勝を重ねていきたいという想いを語った

不運もありながらあきらめず攻めきった柏原明日架は1打差の単独2位

一時は単独首位に立つも15番ボギー以降伸ばせず単独3位の永井花奈

OBを打つもけっしてあきらめなかった政田夢乃は4位タイ、初Vはきっと近いはず

11番のWボギーから2連続バーディー、最終18番でもねじ込んだ稲垣那奈子は4位タイ、最多バーディー賞獲得

前半で1つ落とすも後半で4つ伸ばして見せた中澤瑠来がベストアマチュア

見事な3打目でキメた!イーグル賞を獲得の川満陽香理